小さい頃から映画と演劇が大好きで。将来は、劇団に入って演劇をやりたい。そんな夢を持っていました。外国にも行きたいとも思っていたので、どちらの道に進むべきか悩んだ末、“海外で演劇の勉強をすればいいじゃん！”という結論に。その後は、大学の英文科に入学するなどして、少しずつ海外へ渡る準備をしてきました。

初めての海外旅行は高校の修学旅行でしたね。行き先はハワイです。すごく楽しかったなぁ～。大学では、英語とは関係ない学科を専攻してしまい、それが自分と合わず、１年で大学を辞めちゃったんです。そのとき、ハワイでの楽しい日々が頭に浮かんで。“よし。海外へ行こう！”って決めました。

もともと海外にはまったく興味がなくて。どちらかというと、経済の仕組みとか、仕事の流れに関心があったんですよね。いつしか、興味の対象が日本にはない、海外ならではの経済の仕組みに移り、海外で直接いろんな仕事の現場を見るしかないなって。当初は、１週間ぐらい旅をして、いろんな仕事を見てまわろうと考えていましたが、いくらなんでも、そんなに短期間じゃ無理。そこで、海外で暮らすという方向に切り替えたんです。好奇心が原動力になっています。

中学生のときに、親に「オーストラリアにでも行ってみたら」と勧められて、ホームステイをしたことがあったんです。それがきっかけで、帰国してから英会話を習い始めました。勉強はあまり好きじゃなかったけど、唯一英語だけは興味が持てたんですよねー。それで、短大の英文科を卒業した後、とにかく海外へ行ってみよう！って。

僕の場合は、海外生活への原動力は悔しさでした。専門学校の友達が東京で就職したのに、俺はダメだった。それが悔しくて…。いろいろ考えた末、海外で成功して、東京の友達を見返すしかないな。そう思ったんですよ。

じつは、学生時代は、英語が大嫌いだったんです。「日本人なのに英語なんてしゃべるか」って感じで（笑）。それなのに、外国には行ってみたくて。いろんな国へ行って、いろんな人と会ってみたいという気持ちがあったんですよね。ふと気づくと、大嫌いだった英語を習い始めていましたね。そうすると、英語を実際に使いたくなってきて。できれば英語圏の国で、ペラペラと流暢にしゃべってみたいです。

親には反対されました。小さい頃から体が弱くて、学校も休みがちだったので、「ひとりで行ってどうするの？　英語も通じないし、環境もガラッと変わるのに、それでやっていけるの？」って言われてしまって。何も言い返せない自分がすっごい悔しかった。何回も泣きましたし。でも、親の気持ちを振り払ってでも行きたかったんです！

親の反対で諦めちゃう人もいるんだよ。だから、「どんなに反対されてもやってみたい」という思いは、すごく大事！　きっと、ご両親も艾澤さんのことを想って言ってくれているはずだから、ムキにならず、素直に「ありがとう」って感謝しないとね。「私も成長してくるからね」と伝えれば、きっとわかってくれると思うよ。

私も親には反対されました。病気で手術した後だったので、「そんな体で行ってどうするの？」とまず言われて。更に、「海外生活をした後、お前はどうなりたいんだ。ただ遊びに行くんじゃないのか？」とも言われました。その言葉で、行くべきなのか迷ってしまったんですよ。でも、“親に従うことが、果たして幸せなのか？”と考えたとき、「どうしても行く！」という気持ちを大事にしたいって思ったんです。いろいろ悩んだ結果、病気のことを考えて、ワーキングホリデーで１年間行く予定を、１カ月っていう短い期間に変更しました。今では、両親に気持ちが通じたみたいで、笑顔で「行っておいで」と言ってくれています。

１年の渡航期間を１カ月にすることはすごく辛かったと思うけど、逆に、この１カ月が濃密で意味ある時間になるかもしれないよ。今は、たまたま長期渡航のタイミングじゃなかっただけで、絶対にまた行けるはず！　この１カ月をどう過ごすかが大事だね。

いちばんのハードルは、お父さんの説得とお金の問題でした。私は、兄と弟に挟まれた三人兄弟で唯一の女のコなんです。そのせいか、お父さんに溺愛されていまして（笑）。とにかく、父は「離れたくない」の一点張り。渡航代も両親に負担させるわけにはいかず、大学を卒業後、１年間フリーター生活を送りながらアルバイトでお金を貯めたんです。

すごい！　よく頑張ったね！