第019回：初めての飛行機でガクブル その1.離陸の時は電化製品が使えない

いよいよ乗っちゃいましたよ飛行機。そして離陸ですよ旦那。
機内アナウンスに従いシートベルト締めました。
もうかれこれ20回は思いきり引っ張って外れないことを確認しました。
駄目だ、緊張で心臓が口から飛び出しそうです。
どうしよう、音楽でも聞きながら窓の外を写真撮ってたら少しは気が散るかな……

と、突然添乗員さんがやってきた。
「お客さま、離陸が完了するまで電化製品は全て電源をお切りになり、手荷物は前の方の座席の下にしっかりと押し込んで下さい」

なんだって！　ハッピーなハウスミュージックが聴けない！
ていうか離陸しないと思ったら、もしかして、これ、ぼく待ち？見渡すと、みんなの突き刺さる冷たい視線、視線、視線。
「ひぃ、すすすすすすんません」
あかん、震えが止まらない。震えが16ビート。

言われたとおりに電化製品をオフにして、全てを手荷物に突っ込み、座席の下へ。
代わりに備え付けのクッションをひっしと抱きしめる。
「お客さま、クッションも座席の下に……」
えっ、これも駄目？　頼むよー、ぼくから全てを奪わないでくれたまぇぇっ！
……ジロッ
すんませんすんませんずんまぜん……（いや、ほんとはみんな微笑んで許してくれてたいい人ばっかだったけど、ちょっと脚色させてよ、そんくらい怖かったんだから）

と、そのとき、ついに飛行機が動き出したのであります！
滑走路を静かに走ること数分（もしかしたらもっと短かったかもしれないがぼくには長く感じられた）。
ギュオオオオオオオオオオオオオ！！！

ひぃぃぃっ、なんだこの馬鹿でかい音は、そしてこの震動は！
せ、世界の終わりかっ（汗）
窓の外を見ると、翼に付いてる変なパネルがパッタンパッタンしてるし。
やばい、こんなんで飛ぶわけが……

グゴゴゴゴゴゴコドドドドドズズズズウウウゥゥゥ……

もう駄目だーっ！　思わず目をつむるぼく小心者。
ふっ、ハハ、ハハハハハハハハ……
なんか途端にアドレナリンが出たのか笑いがとまらん。
ハハヘヘヘヘヘヒヒヒヒヒヒ……（壊）

グゥゥゥォォォォォォォ……

なんだ、重力に縛られている人間の感覚。
うおー高速エレベーターに乗ってるみたいだっ、なんども唾飲み込まないと耳がキンキンしやがるぅぅぅぅぅぅ。

しばらくすると、やけに周りが静かなことに気がつきました。ここはどこだろう。静かで、穏やかだ……ぼくは一体どこに、ああ、まばゆい光が。そうか、やっぱり駄目だったんだな。ぼくは天国に……

PROFILE

Name	ユーイチ
Age	20ウン歳
Nationality	生粋ジャパン

「初めての海外なんですが、ぼく大丈夫ですかぁ？」
思えば恥の多い人生を送ってきました。生まれてこの方、飛行機に乗ったことがなく、日本語しかしゃべれない、しかも異文化に超ビビリます。もう、ガクガクブルブルです！　けど、人生経験と思って嫌々自分を奮い立たせて初海外行ってきました。わからないことだらけ、旅の道中もいろんなことがありました。みなさんの参考になるかわかんないですけど、そういうのをナマ声のレポとして書きためていきたいです。