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海外生活サプリHOMEMESSAGE:先輩からのメッセージ>ネイリスト/トゥーソレイユ主宰 松下美智子さん

先輩メッセージ / Message10:トップネイリスト 松下美智子さん

やはり当時はアメリカがネイルの最先端だったのですか?

そうですね。今でも材料や商材に関して言えば、アメリカが最先端です。でも技術に関しては、日本のほうが高いかもしれませんね。やっぱり手先の器用さはアジア人のほうが上かもしれません。アメリカのネイルは、クイックでコンビニエンスが大半です。確かに価格は安いけど、日本人のお客様には合わないサービスも多いかもしれません。早いのは良いのですが、ちょっと雑かも・・っと思うことが良くありました。海外で経験したのですが、技術者がチョコレート食べながら、ぺちゃぺちゃおしゃべりしながらやっているサロンもありました。もちろん高級サロンは別だけれど、町によくあるサロンはそんな所も多いかもしれません。海外を経験したことで、サービスの細やかさは日本が一番だということにも気づくことができました。

ネイル業界で世界的に有名な大会「IBS NEW YORK SHOW」にて日本人で初めて世界ランキング1位を獲得していますが、このときのことは覚えていますか?

もちろん覚えています。無我夢中だったので、名前を呼ばれても信じられなくて。驚きの方が大きくて、実感がわくのに半年かかりました。

1999年には、4大大会7タイトルを獲得されているんですよね。この偉業をなしとげられたのはなぜだと思いますか?

やっぱり集中力ですね。それから、私には「2000年にサロンを開く!」という目標があったので、1999年に的を絞って練習していたんです。1999年に世界タイトルを取らないと、2000年の開業には間に合いませんからね。1999年に行われた国際大会には、ほとんど全部出場したんじゃないかな。

サロンオープンを2000年に決めていたのはなぜですか?

単純なんですけど、占いです(笑)。21歳のときに占い師に言われて、6年間準備をしていたんです。

でも、美容業界に進んだ方で、そこまで緻密に戦略を立てて準備をする方ってなかなかいないですよね。

お金も人脈もなかったからこそ、できたことだと思っています。私には何もないから、方法を考えるしかなかったんですよ。もし土台があったなら、きっとここまで戦略的には動けなかったと思います。土台がないからこそ、私みたいな小娘がどうしたら成功できるのか、真剣に考えることができたんですよ。

世界タイトル獲得前と獲得後で、世の中は変わりましたか?

それはもう、変わりました。アメリカは、そういう変化がすごくわかりやすいんです。いきなり連載の話が来たり、大会の審査員の話が来たり。特集を組んでもらって、全米の雑誌で紹介されたりもしました。日本でも、ひとつのテレビ番組で取り上げると、別のテレビ番組も追いかけて取材をしてくれるので、どんどん注目されていきましたね。

注目をされることで、バッシングみたいなものもあったんじゃないですか?

ありましたよ。でもそういう人とは付き合わないことにしたんです。ネガティブな人とは話をしているだけでネガティブになるし、足をひっぱられちゃう。自分は信念を持って頑張って結果を出したのだから、そういう人たちを相手にする必要はないんです。それにわかってくれる人は必ずいます。ネイリストの先輩も「くだらないことを言うのは、お店もお客さんも持てない人たち。あなたはとにかくお店を作りなさい。お店を作れば、お客さんが全部守ってくれるから」って言っていましたよ。お店を出せば、お客さんが自分を求めてくれるし、お客さんが自分を大事にしてくれるって。確かにその通りでしたね。

27歳という若さで自分のサロンを出すことに対して、不安はありませんでしたか?

もちろん、ありました。でもね、そこでも「君ならできる!」って、ポンって背中を押してくれた先輩がいたんです。それに自分の中で20代のうちに、店を出したいというのもあって。やっぱり人がしていないことをしたい!という気持ちがあったし、30を過ぎてから起業はしたくなかったんです。それに、女性の花が咲いている時間は短いでしょう? 結婚も出産もあるし、早くしないと土台が作れないじゃないですか。だから急がないといけないと思ったんですよね。

初の出店は代官山だったんですよね。一等地ですが、かなり資金もかかったのでは?

はい。借金もしました。でもその当時は、代官山はまだそこまで栄えていなかったんですよ。ヒルサイドテラスの近くのテナントマンションの1室で、保証金がかからなかったので、そこを選んだんです。

代官山はこれから栄えると予想したのですか?

まったくの偶然です(笑)。代官山なんて1回くらいしか来たことなかったんです。本当は青山が良かったのですが、私の予算では見つからなかったんですよね。それで恵比寿に妥協して、物件を探しながら、友達と恵比寿の街をテクテク歩いていたんです。空物件って窓にシールが貼ってあるので、そういうのを見ながら歩いていたんですよね。「ないねぇ」なんて言いながら、ずっと歩いて行って、ひょこって出たのが代官山。「疲れたからお茶でもしようか」と言っていたら、友達が「ちょっと待って!あそこに不動産やがあるよ!」って。その不動産屋で見つけたのが、ヒルサイドテラスの近くの物件だったんですよね。

でもその物件は、事務所利用でしかOKを出していない大家さんだったんですよね。不動産屋さんにも「あんなところでネイルサロンやっても客が来るかわからないし、難しいよ」って言われたんですけど、家主さんに会わせてくださいって頼みこんで。事業計画書を作って、家主さんに持っていくことになったんです。家主さんは、おばあさまとその甥っ子の男性だったのですが、なんとそのおばあさまが元美容師さんだったんですよ。それで私にも理解をしめしてくれたんです。最初はちょっと「ネイル=コギャル」みたいなイメージをお持ちだったのですが、うちはそういう層をターゲットにしていないので安心してください、と言って説得しました。

店名「トゥーソレイユ」の由来は?

最初は「ル ソレイユ」だったんです。ソレイユはフランス語で太陽という意味ですね。でも開業してみたら「ル ソレイユ」って、もう既にいろんなお店があったんですよね。それで途中で改名して「トゥーソレイユ」に。「トゥー」はフランス語でいっぱいという意味なので、太陽がいっぱいという意味ですね。光り輝く太陽のように美しい女性をたくさん作っていきたいなと思って、そういう名前にしたんです。

著書のご紹介
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