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ゆっきー先生の「留学の夢かなえます講座」

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第062回:「知識」と「体験」はまったく違うもの その2

こんにちは!ゆっきーです。

以前、産経新聞に、「ジュニア留学過熱 子供に意義理解させて」と題し、昨今韓国では、子供向けの留学人気が高まっているという記事が紹介されていました。その記事によれば、留学する年齢が年々低くなっている傾向にあるようです。実は、この現象は、日本ばかりでなく、お隣の韓国においても同じ状況です。

私は、若いうちから海外を見ておくことは決して悪いことではないと考えています。しかし、日本という国をある程度知った上で、海外を見聞するほうがその人にとって身になると考えています。

以前、この留学ブログでも子供留学に関する私の意見を述べましたが、私も、子供を留学させる場合に、親の一方的な意見の押し付けは反対ですし、家族、子供ともよく相談した上で、慎重に決定するべきだと考えております。

海外へ子供のうちから留学させれば、「楽して英語を習得できるだろう」というような間違った安易な発想であるなら、まずは国内でしっかり日本を、そして日本語を勉強させるほうが先だと考えています。いかがでしょうか?

さて、前回の続きです。

短期留学は参加する価値があるのか、というテーマでしたね。前回、いくつかのポイントを述べました。大切な部分なので、もう一度、おさらいの意味でまとめておきます。

  • 短期の留学に、意味があるか、価値を見出せるかどうかは、「あなた自身」にしか決められない。
  • たとえ1~2週間の留学であっても、そこでの語学勉強を含め、異文化体験や現地の人達との交流を通じ、何かしら勉強になったり、気づきを得られたとしたら、その人にとってそれは価値のある留学である。
  • 外国の独特な緊張感、空気や雰囲気、人との出会い、楽しかったできごと、つらかったできごと、孤独感、ままならない体験など、人から聞いただけでは、深くは理解できない。
  • 「体験」として得ているか、ただ「知識」として得ているだけなのかで、今後の考え方、行動面においても、相当な開きが生じてしまう

どれも重要な内容です。この他にも、短期留学に参加するにあったって言えることがあります。短期留学者は、往々にして、言葉(外国語)が思うように操れないため、とても強いフラストレーションが溜まるのが普通です。人はフラストレーションを抱くと、それを解消したいという願望が働き、それを解消するための行動をとろうとします。要するに、そのフラストレーションは、言語を習得する際の、強力なモチベーション、パワーになるのですね。

ですから、留学先で思うように話せないことで落ち込んだり、うまくコミュニケーションがはかれず悔しい思いをすることは、決してムダな体験ではないのです。そんなときは、そこから逃げようとせず、正面からそれを受け入れて欲しいと思います。なぜなら、その体験があなたを押し上げる原動力となるからです。実際にそのフラストレーションを体験できるか、できないかで、その後の言語習得意欲(モチベーション)が格段に違ってくるはずです。

「短期留学というのは意味があるのでしょうか?」という質問の裏には、「短期留学では、英語を流暢に話せるようにはならないですよね?」という意味が含まれていると思います。そういった意味では、その通りです。短期留学で留学先の言語を流暢に話せるようにはなれないでしょう。

しかし、短期留学での体験が、その後の人生に何らかの影響を与え、それによって、自分の行動に変化が生じたとしたら、その体験はたいへん貴重で価値があると言っていいのではないでしょうか。語学習得の観点からいっても、ただ漠然と英語を勉強するのと、前回お話したYさんのように、実際、外国へ行って生活をし、「ままならない体験」を通じながら、肌身で「英語が思うように

話せないもどかしさ」や「英語の出来るメリット」を「心底」感じたのであれば、帰国後に、同じ英語を勉強する場合でも、当然、語学上達のスピードが異なるのは言うまでもありません。なぜかというと、現地での体験が映像として自分の心の中に残っているため、英語環境の状況がイメージしやすいのです。すると、今後、どう勉強していけばいいのか、自然と見えてきます。繰り返しますが、短期留学に、意味があるかどうかを決められるのは、「あなた自身」です。あなたがどんなことに留学の意味や価値を見出すかによります。

ここで、短期留学、長期留学にかかわらず、共通してお勧めしたいことがあります。それは、留学前に自分なりの「留学する意味や価値」を紙に書き出してみることです。それを書いてみるだけでも、留学中、あなたの行動や姿勢が格段と違ったものになるはずです。人間は自分が書いた事柄に関して、脳が反応しはじめるので、とても効果がありますよ。

期間にかかわらず、留学中の体験は決してムダにはなりませんので、今回述べてきたように物事を考える癖をつけましょう。せっかくの貴重な時間、お金をかけていくわけですから、思う存分留学生活をエンジョイしていただきたいと思います。

今回は以上です。それでは次回お会いしましょう!

ゆっきーでした。

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PROFILE

Name 本橋幸夫

東京生まれ。
大学卒業後、ファイナンス会社入社。その後渡米し、帰国後、世界最大級の国際教育機関に11年間勤務。その後独立し留学コンサルティング会社を設立する。現在は、留学生向け就職支援研修会社である株式会社エストレリータに所属。これまで、しばしば新聞や雑誌等マスコミに取り上げられ、3,000名を超える留学生やワーホリメーカーに接し、留学生や企業向けに「留学」をテーマに講演・セミナーを行なう。NPO法人留学協会では、RCA海外留学アドバイザー認定試験対策講座の講師、ならびに同試験の面接官を務める。また、現在、日本認定カウンセラー協会(JACSAC)の役員を務める。総合旅行業務取扱管理者。

<著書>
「語学留学指南」(本橋幸夫著:ナカニシヤ出版)
「語学留学を10倍成功させる秘訣」小冊子