さて、今回は、「留学で、語学力の上達を加速させる秘訣」について述べたいと思います。留学相談で、わりと多い質問のなかに、下記のようなものがあります。

「どれくらいの期間留学をすれば、英語を流暢に話せるようになりますか？」
「英語を習得したいので、最低2年くらいは語学留学をするべきでしょうか？」

これらの質問は、特に留学目的が語学習得である方にとっては、とても関心のある内容だと思います。以前、ある相談者（Aさん）からこんな話を報告してくれました。Aさんは、英語圏に語学留学をするため、まず業者のカウンセリングを受けたそうです。その際、Aさんは、英語習得のため長期で留学を考えている旨を担当カウンセラーに伝えました。すると、そのカウンセラーからは、語学学校へ1年半から2年くらい通うことを勧められたというのです。理由は、それくらいの期間、英語を勉強しなければモノにできないとのこと。留学期間は長ければ長いほど良いとアドバイスされたそうです。

さて、あなたはこれについてどう思いますか？
語学留学をするとしたら、一体、どれくらいの期間、語学学校に通うのが理想的なのでしょう。実は、正直に言いますと、どれくらいの期間で上達するかは人によりますので答えることはできないのです。たった数ヶ月の滞在で、かなり上達させてしまう人もいれば、一年以上勉強してもモノにできない人もいるのです。

私がここで言えることは、語学習得を留学目的とする人の場合であれば、語学学校に通うとしても、“長くても”1年くらいで充分だと答えるようにしています。“長くても”です。多くの人は、そのカウンセラーが言うように、留学期間は長ければ長いほど英語は上達すると考えているものです。私が、“長くても1年くらい”と言った理由には2つあります。

• 一つは、1年以上語学学校へ通ったとしても惰性になってしまうこと。それまでに上達しなければ、それ以上通っても効果は期待できない。
• 二つ目は、はじめから1年以上とか2年以上、語学学校へ通うなどと考えていると、現地に行った際、「まだ1年、2年もあるからいいや」ということで、日々、悠長に過ごしてしまい、真剣に語学習得に向き合うことをしなくなる。

ということです。実際、短期間に集中してマスターするという“覚悟”や“意気込み”がある人であれば、たとえ数ヶ月間の留学であっても、漠然と1年以上留学している人と比べてみても上達は早いのです。

では、留学で、できるだけ早く語学力を上達させたい場合はどうすれば良いのでしょうか？説明がしやすいように、ここでは英語圏への留学の場合を例として述べたいと思います。できるだけ早く英語力を上達させるためには、“英語を学ぶ”というスタンスを変えてしまうことです。どういうことかというと、ある期間英語を勉強したら、“英語を”学ぶことから、“英語で”学ぶことに挑戦してみる。

この“英語を”と“英語で”の違いは分りますか？“英語で”学ぶということは、たとえば、海外で資格をとったり、正規留学に挑戦してみたり、といったように、英語で何かに挑戦するということです。つまり、資格の取得や学位の取得といったような語学習得以外に目標を設定することがポイントなんです。実は、そのほうが語学の上達が早いのです。

ですから、語学習得を目的とした語学留学は、1年以上することはお勧めしません。長くても1年までで充分です。それ以上留学したいのであれば、それからは、語学を使って、他のことに挑戦することへ切り替えてください。

ハッキリ申し上げますが、海外へ長く滞在すればするほど、語学力が上達すると思うのは幻想です。ただ外国に長くいるだけではダメなのです。3年から5年くらい海外にいても、その国の言語をカタコトしか話せない人もたくさんいるのです。留学で語学力の上達を加速させる秘訣は、ズバリ、“英語を”学ぶことから“英語で”学ぶという発想・視点の切り替えです。このことはぜひ覚えておいてくださいね。

今回は以上です。次回は留学先の『激安校』や『格安校』について触れてみたいと思います。では、また来週お会いしましょう！

ゆっきー