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ゆっきー先生の「留学の夢かなえます講座」

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ホームステイ先は、お金が目当てで、留学生を受け入れているのか?

こんにちは。ゆっきーです!

普段、何気に使っている言葉の中に、「時間をつぶす」という言葉がありますね。約束や目的の時間までに、大分余裕があるときなどに、つい使ってしまう言葉かもしれません。この言葉は、私はとても抵抗を感じてしまう言葉なんです。この”時間をつぶす”とは、”時間を無駄に使う”ということです。このように言っても、あまりピンとこないかもしれませんが、次のように表現を変えてみたらどう思いますか?

「命を無駄に使う」

私達は、この世に生まれた瞬間から、決して時間を増やすことは出来ません。できることは、与えられた時間を有効に使うことだけです。過ぎてしまった時間を取り戻すことはできないのです。つまり、”時間を無駄に使う”ということは、”命を無駄に使う”ということ。どんな時間も有効に使いたいものですね。

「時間をつぶす」とは、「命を無駄に使う」ということ。

さて、今回は、「ホームステイ先は、お金が目当てで、留学生を受け入れているのか?」という内容について述べてみたいと思います。この「ゆっきー講座」の読者の方の中にも、こんなことを一度は耳にした方もいるかもしれませんね。実は、一口にホームステイといっても、ホームステイには2種類あるということをご存知でしたか?最初にそのあたりについて簡単に整理しておきましょう。

2種類とは、ボランティア・ホームステイ(Volunteer homestay)と、ペイイング・ホームステイ(Paying homestay)のことです。前者は、ホスト先が、ボランティアで留学生を受け入れるホームステイ形態のことで、後者は、ホスト先に、お金を支払うことで留学生を受け入れてもらう形態のことです。現在は、後者のペイイング・ホームステイが主流だと思ってくださいね。従って、今回取り上げた「ホスト先はお金が目当てか?」という内容も、後者のペイイングホームステイに関するものになります。

そこで、本題に移ります。一体、ホームステイ先は、お金が目当てで留学生を受け入れているのでしょうか?もしそれが事実だとしたら、すこし違和感を感じてしまいそうですが、いかがでしょう。しかし、これは、“ある意味、事実”なんです。ただし、私の言う“事実”というのは、決してネガティブな意味ではありません。昨今の海外の一般家庭の経済事情を考えても、ホームステイ代を当てにしているホスト先がいる、ということはごく自然な姿だと言えるからです。決してそれ自体が、ホスト先の良否を決定づけるものではありません。

かりに、日本で留学生の受け入れを考えた場合でも、いくら世界的に裕福な国だと言われている日本でさえ、ボランティアで、つまり、無償で留学生を受け入れられる家庭は少ないのではないでしょうか?留学生が家の中で使う光熱費、食費にしてもばかになりませんね。人が生活しているのですから当然お金がかかるわけです。それを全部、受け入れ先であるホームステイ先が負担するとなると、それはたいへんでしょう。よほど経済的に余裕のある家庭でないと、日本でさえも困難だと思います。従って、ある程度の生活費を留学生がステイ先に支払うことはごく自然であり、決しておかしなことはありません。逆に言えば、留学生がホスト先に生活費を支払う“ペイイングホームステイ”という形態があるからこそ、毎年数多くの留学生が海外でのホームステイを体験できるわけです。

そこでまず、どんな人がホスト先となり得るのかというと、例えば、子供が自立して家を離れたなどの理由から、家族の一員が使っていた部屋が空いたので、留学生にそこを貸すという一般家族が多いと思います。そして留学生を受け入れることで入る収入を、家計の一助にしている家庭が一般的です。ホスト先にとっても、空いた部屋を有効に活かせるのですから悪い話ではありませんね。そういった意味では、一面において、お金目当てだ、とも言えると思います。冒頭で、“ある意味、事実”という表現を使ったのはこのためです。

しかしだからといって、ホームステイ先になるのは、お金のため“だけ”か、というとそんなことはないと思います。ちょっと逆の立場を想像してみてください。もし、あなたがホスト先になると仮定した場合、お金のためだけに、全く知らない海外から来た生徒を自分のプライベートの空間であり、生活拠点である自宅に同居をしようと思うでしょうか?一日や二日だけではないのです。数週間、半年、いや長くて1年くらい同居するのです。それによって、他人が家庭に入るのですから、当然、これまでの生活リズムも変化しますし、生活習慣の違う留学生を受け入れることで、家庭内で気にいらないことも生じるかもしれません。以上のようなことを考えてみると、とてもではありませんが、家族の大事なプライベートの空間に、お金のためだけに、そのようなことはしないはずです。

やはり、海外から来る留学生を受け入れることによって、そこから何かを学んだり、留学生との交流をはかりたいという前向きな意志がないかぎり、家族の大切なプライベートの空間を、赤の他人、しかも言葉や文化の違う、海外から来た生徒を受け入れようとは思わないでしょう。これは現在、海外でホームステイ先に登録しているホスト先でも一緒です。

ですから、現実的に、留学生を受け入れることによって得られる収入が、家計の一助と考えるホスト先はありますが、留学生を受け入れる理由は、それだけではない、ということを理解してもらったほうが良いと思います。留学生によっては、「どうせお金が目当てなんだから・・・」という見方でホスト先に接していたので、結局ステイ先の人とは良い関係を築けずにプログラムが終了してしまった人もいます。そのような見方でホスト先に接すれば、当然、ホスト先に対する留学生の冷めた態度が出ますので、ホスト先もいい気はしないでしょう。「ホームステイ先はお金が目当てだ!」という見方は、自分自身で充実したホームステイ体験を、自ら放棄するような視点と言えるかもしれません。ホスト先にとって、家庭の中に留学生を一人でも受け入れることは、それだけ責任も生じますし、また、その家族にとって、これまでの自分達の生活リズムが変わるのですから、決して楽なものでも、簡単なことでもない、という彼ら側の立場も十分、考慮することが大切です。そのように考えられる人であれば、きっとホスト先とも上手く関係を築ける人であると思います。ホームステイ代を家計の一助にしていることと、ホームステイ先の良し悪しは全く別モノですので、そのあたりの心配をすることはないでしょう。

今回は以上です。
次回は、ホームステイに関して留学生が抱きやすい誤解について取り上げたいと思います。

ゆっきーでした!

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PROFILE

Name 本橋幸夫

東京生まれ。
大学卒業後、ファイナンス会社入社。その後渡米し、帰国後、世界最大級の国際教育機関に11年間勤務。その後独立し留学コンサルティング会社を設立する。現在は、留学生向け就職支援研修会社である株式会社エストレリータに所属。これまで、しばしば新聞や雑誌等マスコミに取り上げられ、3,000名を超える留学生やワーホリメーカーに接し、留学生や企業向けに「留学」をテーマに講演・セミナーを行なう。NPO法人留学協会では、RCA海外留学アドバイザー認定試験対策講座の講師、ならびに同試験の面接官を務める。また、現在、日本認定カウンセラー協会(JACSAC)の役員を務める。総合旅行業務取扱管理者。

<著書>
「語学留学指南」(本橋幸夫著:ナカニシヤ出版)
「語学留学を10倍成功させる秘訣」小冊子