世界二位の広大な面積と、海洋と山岳地帯といった大自然に恵まれた国・カナダ。イギリスから独立して誕生した移民の国だけに、実に様々な人種に出会えるこの国は、東部と西部で大きく特色が変わります。東側を代表する都市トロントは、高層ビルが建ち並ぶダウンタウン。カナダ最大の都市です。トロントの由来は「人の集まる場所」。1998年に周辺の複数都市と合併し、その名の通り巨大都市に成長しました。世界で最も住みやすい街のひとつにもランクインするなど、治安と利便性の良さに秀でます。
人口: | 約500万人(カナダ全土:3251万人) |
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面積: | 630.18 km²(カナダ全土:998万4670km²) |
言語: | 英語、フランス語 |
通貨: | $(カナダドル CAD) ※現在のカナダドルのレート |
チップの文化: | あり |
気候: | 最も寒い月…1月(平均-7~-1度程度) 最も暖かい月…7月(平均18~26度程度) トロントには雨期がなく、5月から8月が夏の気候、10月から4月まで冬の気候が続きます。マイナスを記録する日も多いなど真冬の冷え込みは相当なものですが、地下やモールなど暖房完備の施設が発達しているため、よほど郊外でなければ快適なはず |
清潔な街並み、治安の良さ、夜景も美しいハーバーフロントとCNタワーに代表される摩天楼。古い街並みを改造したファッショナブルなエリアや巨大ショッピングモール、レストラン、劇場やミュージアムにも事欠かない万能都市トロントは、地下鉄やストリートカー(路面電車)、バスなどの交通も、しっかり整備されています。その便利さから、勉学はもちろん、芸術やスポーツ、エンターテインメントを目当てに、世界中から人が集まります。中にはニューヨークに行きたかったけどワーホリ制度がなかったから…という理由で渡航する人も。日本人留学生こそバンクーバーに比べると少なめですが、戦後から多くの日本人が住み、今ではカナダで最も日系人が多い都市と言われています。
バンクーバー同様に、交通費や施設料金には学割が適用されるほか、ファーストフードや安売りショップ、アウトレットの発達、食材が安いことが上げられます。ちなみにレストランでの食事は高めですが量が多く、食べ残しは持ち帰ることのできるサービスも。
その他、一人暮らしを安くするベースメントスイートや家具付きの家があるのもバンクーバー同様です。但し、全体的に物価はこちらの方が若干安めの傾向にあるほか、交通の便が良いため、少し離れた家賃の安い場所に住む人が多い傾向にあります。なお、カナダではVATではなく連邦消費税のGSTと州税のPST両方を支払うことになりますが、それでも消費税として考えれば他国と同じか安い方です。
トロントでの生活費の目安
税率: | GST 6%(薬や基本食材などは免除)+PST 7.5%=13.5% |
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ランチ平均: | 4.5~12$ |
物価: | 煙草は高め。外食は日本と同程度の値段だが量が多め。食材は比較的安い |
家賃目安: | フラットシェアのシングルルームで300~400$(少し郊外ならやや安め) |
ホームステイの 月家賃: |
800~1000$程度 |
州ごとに学校教育の水準管理が行われているカナダにあって、トロントもバンクーバー同様に信頼と人気を集める街。但し、バンクーバーに比べて日本人留学生が少ないケースが多く、より“英語漬けの生活”を望む人から選ばれることが多いようです。語学学校は小規模アットホームな場所から、多彩なコースを用意する大型校まで多種多様。交通の便が良いので、家賃の安い郊外からでも通いやすいメリットがあります。
トロントには劇場が多く、バレエとダンスの団体は50以上。ブロードウェイ・ミュージカルが頻繁に上演されています。また、カナディアン・オペラ・カンパニーやカナダ国立バレエ団、トロント交響楽団など、オペラや交響楽団も多数活動しています。演劇やオペラ、オーケストラに興味がある人にはまさに天国と言えるでしょう。また、トロント国際映画祭があるように、映画産業も発展。街の至る所で撮影が行われ、トロント西部には海外の制作会社も大型スタジオを構えているなど、映画都市の一面もあります。オンタリオ美術館やロイヤルオンタリオ博物館に代表されるミュージアム、各種アートスタジオも多数存在しています。
生粋のトロントニアンは大のスポーツ好き。NBAのToronto RaptorsやメジャーリーグのToronto Blue Jaysが本拠地を置いているだけに、スポーツ観戦はカナダ国内で人気の高いアイスホッケーだけでなく野球、バスケットボール、サッカーも熱狂的です。なお、アイスホッケーに関しては、市内にアイスホッケー博物館も存在しているほど。バンクーバー同様、マウンテンスポーツに加え、湖に恵まれているのでカヌーやサーフィンといったウォータースポーツも楽しめるトロント周辺地域。ゴルフやフィッシングも渡航後にすっかりはまってしまう人が後を絶ちません。また、トロントの雪はパウダースノーと呼ばれる最高の質。スキーやスノーボード好きには最適です。
「何でもある」がトロントの特徴。人種のモザイクと称されるカナダの代表都市だけに、街の中にはチャイナタウンだけでなく、ポルトガル人街やリトルイタリーなどのエスニック街があり、様々な国の文化や料理を味わえます。人気の観光スポットは、CNタワーと摩天楼とハーバーフロントの織りなす美しい夜景、充実したショッピングモール、州議会議事堂やトロント大学、カサ・ロマなどに代表される古城のような建物たち…市内だけでもじゅうぶんに楽しめるスポットが満載。そして、少し足を伸ばすだけで大自然が広がります。オススメはトロントを取り囲むように点在する五大湖。有名なナイアガラの滝まではバスでなんと約2時間。その他、カヌーやウインドサーフィン、スキーが楽しめるロレンシャン高原も人気のエリアです。
カナダでは、学生ビザのことは就学許可証(Study Permit)と呼ばれます。およびは観光や知人訪問が目的で6ヶ月以下の滞在、およぴ、語学学校(または大学・短期大学・職業訓練校)での就学期間が6ヶ月以下のコースで入国からの滞在期間が6ヶ月以内の場合、就学許可証は免除されます。但し6ヶ月を超える滞在の場合、滞在が6ヶ月以内であっても6ヶ月以上のコースを部分的に受講する場合などには、就学許可証が必要となります。一方、カナダのワーキングホリデービザは、多くの国が3ヶ月までしか語学学校に通えない中、6ヶ月まで通うことができますビザ申請はカナダ大使館査証部(東京都港区赤坂 03-5412-6321)で行えます。
カナダの治安は比較的良好で、なかでもトロントは「世界で最も住みやすい街のひとつ」と称されるように、犯罪発生率も低い人気の街です。但し、貴重品の管理や車上荒らしへの警戒、人通りの少ない夜道を避けることなど、最低限の注意は必要。ターゲットの多くは旅行客。人種のるつぼと言われる風土を上手く利用して、なるべく早く現地に溶け込むのも立派な対策の一つでしょう。また、マナー面では、レディファーストが基本であること、それから非喫煙者の権利が強いことが上げられます。
喫煙所のない場所はビーチや公園であっても基本的に禁煙です。一点留意しておきたいのは、失業率が高いこと。ですが、日本関係の職場(カナダ人向けの免税店や日本食レストランなどで英語を使う仕事)を選択肢に入れれば、まだまだ職探しで苦戦はしないでしょう。ちなみにバスやストリートカーを利用時の料金は、ピッタリ額を先払い。運転手がお釣りを持っていないことが多いため、大きなお金しか持っていないと乗車拒否をされてしまったり、トラブルに繋がりやすいので要注意。
その他の治安・疫病の情報は…『外務省海外安全ホームページ』
緊急時は911をコール(共通番号につき、つながり次第、警察・消防・救急を選択します)。
また、カナダの日本大使館・領事館はこちら『外務省在外公館リスト 在カナダ日本大使館・総領事館』